自分のためだけの観劇記録「港町純情オセロ」

GWに観てきた舞台の感想をば。
いまさらですが。
よそさまのように深い考察、とか、解釈論とかありません。
ただただ、私が観て「楽しかった!」とか「泣けた!」とか思ったことを
忘れないように書いておこう、と…



祝!!じゅんさん復活!!な新感線プロデュース公演でありました。
冒頭、じゅんさんが出てきただけでもう…ね。うれしかった〜。
前作を降板されたこともしっかりネタにされてましたww


シェイクスピア「オセロ」の翻案である作品なのですが、登場人物設定や場所を変更してはいますが、
ストーリーには「メタルマクベス」のような大幅な変化はありませんでした。
その分、「メタルマクベス」のような全然「マクベス」とは思えない話が、ラストに向かうにつれ、
見事に「マクベス」に収束していくスペクタクル(?)感はありません。

きちんと「オセロ」本来の手順に従い、破滅へと向かっていきます。
本来の筋を踏襲している分、ちょっと小粒な仕上がりに感じたかな。



 舞台は戦前日本、架空の関西の港町に置き換えられてます。
やくざの組長オセロ(じゅんさん)は抗争時のけがで入院中、
院長の娘、モナ(石原さとみちゃん)と恋に落ちます。
ええ、そりゃもう、すごい勢いで(笑)
 *元オセロはムーア人であり、黒人として演じられることの多い役ですが、
それをブラジル人(黒人)と日本人のハーフと置き換え、
将軍→やくざの親分に置き換えられてたのですな。
だからイアーゴーが蔑んだり、デズデモーナが親しみを込めて呼ぶ「ムーア様」が「半ブラ(半分ブラジル人)」


そんでもって、恋は盲目、なオセロは「耳なし」こと伊東郷(=イアーゴー)(田中哲司さん)の
憎悪に満ちた言葉に操られて、その憎悪の企みにモナだけでなく汐見=キャシオー(伊礼彼方さん)や
三ノ宮=ロダリーゴ(粟根さん)絵美=エミリア松本まりかちゃん)准=エミリア?(大東俊介さん)
も巻き込まれ、オセロは自滅してゆく…
という悲しいけれど爆笑な舞台でした。



じゅんさんは轟天並みの黒いメイクでハーフを熱演されました。
動くじゅんさんを見られただけでもこの舞台を観たかいがある、というもの。
オセロをじゅんさんが演じることで、「ええ歳したおっさんが…」というオセロに対するありえなさを感じることのない「純情オセロ」になってました。
さとみちゃんはめちゃくちゃ若い作り(17,8くらいかな?)きゃぴきゃぴお嬢様。
オセロLOVE!(笑)で元気いっぱい。
その幼くも感じられる振る舞いが「おねだり」のシーンなんかを自然に見せていて、
とてもよかったです。
田中哲司さんはこの役向いてないよな…というのが私見
もちろんきっちり演じてらっしゃいましたが、人でない、とでもいえばいいのかな、
そんな感じでした。
個人的な趣味では古田さんがよかったなあ、この役。
みんなに見せている誠実な顔から一瞬で悪意に満ちた表情に変わり独白するとこなんか、
古田さんだったら鳥肌たつくらい、ゾクゾクするだろうなあ…なんて思ってしまいました。
田中さんはそのあたりがちょびっと物足りなかった。
粟根さんは笑いのパートで大活躍!!
でてきた瞬間に笑えます。
そもそもロダリーゴって間抜けなイメージだったので、それが粟根さん???と思ったのですが、
いつもの几帳面なキャラも持ちつつ、おバカさんに演じてらっしゃいました。
伊礼さんはなにもかもが綺麗。「ペラッペラ」とモナには言われてしまうけど。
芝居が大きくて、歌も歌えて。
育ちのよいエリート君を好演。
まりかちゃんはそつなく。
痩せすぎでは?というくらいに細く、倒れやしないかと心配になりました。
そして唯一のオリジナルキャラ准を演じた大東さん。
オカマを熱演。彼を登場させることで、「オセロ」に感じる矛盾を解決したのかな、と思いました。


で、以前蜷川シェイクスピアを観たことがあるのですが、
そのときの疑問で今回の舞台ですっきりしたことがいくつか。

それはまた明日。

あ。
忘れちゃいけない。お約束。
よし子さんの「おーるどれでーがが」
冒頭から大爆笑!!
お約束って大事♪